2016年11月19日土曜日

[平成28年度秋] 午後 問7 解説

[問題文・解答]


平成28年度10月に実施された基本情報技術者試験の午後試験の問題・解答はIPA公式ページからダウンロード出来ます。(以下リンク)

[問題概要]


この問題は、選択問題で問2〜問7のうち4問を選択する必要があります。
問題の題材は、業務提携と出資の検討です。
出資対象の企業の損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書を基に現在の企業価値や提携後の企業価値算出について問われます。
専門知識が無くても問題文をよく理解すれば解答できますが、キャッシュフローの知識があればより解きやすい問題です。

[設問1]


a) 表1、2より、T社の売上高営業利益率は7÷120×100=5.83%、総資産経常利益率は9÷80×100=11.25と共に5%以上あるため、出資条件の(1)(2)を満たしています。
また、表3よりFCFは15-5=10(億円)であり負ではないため出資条件(3)も満たしているため、「エ」が適切です。

b) 営業活動によるCFは本業での利益、投資活動によるCFは設備投資や企業買収による収支を表します。T社は営業活動によるCFが正で、投資活動や財務活動によるCFが負であるため、本業で得た利益を投資や債務返済・株主還元に回していることが分かります。従って、正解は「ウ」となります。

c) 販管費を圧縮できれば、営業活動によるCFが増えて利益が大きくなるため、FCFが上がります。また、売上高や総資産が変わらなければ結果として売上高営業利益率や総資産経常利益率も上がるため、「ウ」が正解です。

[答] a) エ b) ウ c) ウ

[設問2]


d) 表3より2016年度のFCFは、15-5=10(億円)であり、P.32中段の(1)から2017年度のFCFは10%増加するとの予測から、2017年度は10×1.1=11(億円)となります。
更に(2)より2018年度は前年比5%増加すると予測するため、11×1.05=11.55(億円)となり、「ケ」が当てはまります。

e) d)の解説より2017年度(1年後)のFCF:C=11(億円)、n=1、r=0.1とすると
11 / ( 1 + 0.1)^1 = 10となり、「ウ」が正解です。

f) 割引率を考慮しない場合は、r=0となるため、本来のB社で定義する企業価値よりも大きく計算してしまいます。

[答] d) ケ e) ウ f) ア

[設問3]


ア) 割引率を大きくすると、企業価値は小さく計算されるので不適切。
イ) 銀行からの借入れは、財務活動によるCFに含まれるためFCFから計算する企業価値には直接影響しないため、不適切。
ウ) 設備投資の額を増やすと、投資活動によるCFが小さくなり、企業価値も小さくなってしまうため不適切。
エ) 販管費を減らすと営業活動によるCFが大きくなり、企業価値も大きくなるため適切。

[答] エ

上記の解説は問題と解答を元に自分なりの考え方を記述しており、間違っている部分もあるかと思いますので、ご了承願います。また、誤りについては正しい考え方をご指摘・ご教授頂けると助かります。

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